野生化、もしくは自己組織化の話
皆さんこんにちは。 @oosawatechnica です。戦後の闇市のようなインターネット業界を己の腕一本で生き抜いてきたみなさん、お元気ですか?
私は今でもあの頃と同じように、インターネットにいます。
最近は Misoca という会社で、主に「大沢」という職種で働いています。ご覧の通り、名刺には名前しかありません…。
さて、お年寄りなので日記といえば日記猿人ですが、今回は Misoca Advent Calendar 2017 の記事として書いていきます。
とあるプロジェクトの深刻な野生化
具体的なプロジェクト名は避けてますが、PJ1(仮名)の振り返りのKeepのカードです。ひどいカードですね。
私は現在、大小数えると5~6くらいのプロジェクトに、いわゆるプロダクトオーナーとかプロダクトマネージャーのような感じで関わっています。
Misocaでは、ほとんどのプロジェクトがスクラム開発の手法に則って開発をすすめており、基本的にはどのプロジェクトチームも素晴らしいのですが、ちょうどこの時期はPJ2(仮名)について、私がよ〜く見ていないといけない状況になりました。
そこで、PJ1を、放置する、という暴挙に出てみたんですね。やっていたのは、スクラムマスターに質問されたら話すのと、esa や Trello など関係ボードを見る程度です。
そして数週間後に「全然進んでなかったらどうしよう〜」などと思いながら戻ってみると、PJ1の開発メンバーは全く問題なく進めていて、バーンダウンチャートも非常に美しい形状で、何も問題がなかったんですね。
プロダクトオーナーの管理下に置かれることなく、開発メンバーが目的に対する最適な方法とプロセスの策定に関し権限を持ち、スクラムマスターと共にいい感じでやっていく、この状態のことを、野生化と呼んでいました。
せっかくいい感じに野生化できたので、私は普段どんなことをやっているのか?を3つ書いてみたいと思います。真似するかしないかは、自己責任で…
私がやっていることその1:実現したいこと、提供すべき情報をできるだけ正しい日本語で言う
自分が実現したいことや、共有したり提供すべき情報を、できるだけ正しい日本語で、何度も「伝わってる?」って確認しながらやっています。
私の日本語は勢いの日本語なので、Misocaのエンジニアの皆さんによく添削されていますが…
これをやっておくと、インセプションデッキ、ペルソナ、ナラティブ、インタラクション、ストーリーあたりがきちっと固めることが出来るので、野生化への整備が整います。
私がやっていることその2:中途半端な知識で手段を提示しない
中途半端なインターネット知識でわかったような言い方で話すのは絶対にやめています。例えば、「この文字ボールドにして」みたいなのを、「特にこの文字をユーザーに訴求したい」というような言い方をしてます。
目的を伝え、手段を提示しないことで、野生化への整備が整います。
私がやっていることその3:信じて任せる
開発ブログではなく個人ブログなのでemoい事を書きますと、とにかく、信じて任せています。
私はエンジニアやデザイナーではなく、ただのインターネット好きがインターネットで仕事をしているだけなので、エンジニアやデザイナーが行う事以上のことを、私にできるはずがないので…。
その代わり、いつでもどこでも、土下座できる準備はできています…!!!
信じて任せる、これ以上の野生化への整備はないと思います。
自己組織化にはプロダクトオーナーと開発チームとの関係性が重要
…と、色々書いてみたのですが、 事後検証ボードにあった @kokuyouwind さんのまとめが完璧だったので、そのスクショを貼って、このお話を終わりたいと思います。
今回は大沢さんが開発チームに権限を適切に移譲して、開発チームの判断でユーザストーリーの細部を決めやすい環境だった。(その代わりに、決めたことは細かいバッチでお互い伝えあっていた)
これにより、開発チームの自己組織化(おおさわさんがいう野生化)がうまく進んだ。
野生化、と雑にいっていたのが、自己組織化と言い換えたことにより一気に「あれ、私っていま、良いことしてる…?」って思えた瞬間でした。
これからも大沢園長として、野生化されたプロジェクトと、フレンズ動物のように自由に開発をすすめるチームを、そっと見守っていきたいと思います。
さて明日は、稀代のゴシップ好き、@y0shoku 先生ご執筆の「Misocaの開発環境2017冬」です。お楽しみください。